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成年後見制度:法定後見と任意後見の比較

成年後見について

認知症等により判断能力が低下した場合に、後見人をつけてサポートする制度です。

契約手続きやお金の管理などに困っている人が対象です。成年後見制度には、①法定後見と②任意後見という2つの制度があります。

法定後見について

認知症等により判断能力が低下した場合に利用する制度です。
法定後見は、認知症等により自分で契約手続きやお金の管理が困難な人を対象としています。
家庭裁判所が後見人を選び、後見人は本人の意思を尊重しながら、財産管理や法律行為を代理したり、同意や取り消しをすることができます。
法定後見には、後見・補佐・補助の3つの分類があります。それぞれの分類は、判断能力の程度に応じて適用されます。
法定後見制度は、本人の権利と利益を守るために役立つ制度です。

  1. 後見
    後見人の支援を受けないと、契約や取引の意味や内容を理解し、判断することが困難な状態です。
    例えば、物を買ったり、お金の管理をしたり、契約をすることが難しい場合や、家族の名前が分からなかったり、自分の居場所が分からないなどの場合です。
  2. 補佐
    後見人の支援を受けないと、契約や取引の意味や内容を理解し、判断することが困難な状態です。
    例えば、日常の買い物はできるが、重要な取引(取り返しがつかない取引)は難しい場合です。
  3. 補助
    後見人の支援を受けないと、契約や取引の意味や内容を自ら完全に理解し、判断することが難しい状態です。
    例えば、日常生活には問題はないが、重要な判断に支援が必要な場合です。

 法定後見の後見人は誰がなるの?

ここ数年の統計によると、後見人として親族が選ばれる割合は約20%です。
約80%は親族以外が選ばれています。
選ばれる後見人は、家庭裁判所が決定しますので、申立時に成年後見人候補者を書くことはできますが、必ずしも選ばれるわけではありません。
そのため、親族以外で全く知らない人が後見人になることもあります。

引用元: 裁判所 成年後見関係事件の概況 もし興味があれば、以下のリンクをご覧ください。 https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/kouken/index.html

任意後見について

任意後見は、認知症等により判断能力が低下する前に、自分の代わりに財産管理や介護サービスの契約などをしてくれる後見人を選ぶ制度です。
法定後見とは異なり、判断能力が低下する前に手続きを行うため、本人が信頼できる人を後見人として選ぶことができます。
具体的には、任意後見契約という公正証書で、後見人に依頼する内容を決めておきます。
判断能力が不十分になったら、家庭裁判所に申し立てて任意後見監督人を選んでもらいます。
任意後見監督人は、任意後見人が契約通りに業務を遂行しているかを監督します。
任意後見制度は、本人の意思を尊重した制度であり、自分の老後を安心して準備することができるというメリットがあります。

 

法定後見と任意後見のまとめ

任意後見 法定後見
自由度 高い 低い
利用できる人 判断能力がある人 判断能力が無い、または低下している人
後見人を選ぶ人 本人 家庭裁判所
監督する人 任意後見監督人 家庭裁判所
後見職務の内容 契約で定める 後見・補佐・補助により異なる
後見人の報酬 契約で決める 家庭裁判所が決める
法律行為の取消権

 

成年後見制度は、困難な状況にある人々に支えの手を差し伸べる大切な制度です。
判断能力が低下しても、自分や大切な人の権利と利益を守るために利用することができます。
将来に備えるために、早めに制度について学び、自身に適した選択を考えてみましょう。
人生にはさまざまな試練がありますが、周りのサポートや成年後見制度の利用を通じて、新たな道を歩むことができる可能性もあります。
すぎもと行政書士事務所では、皆さまのお悩みや相談に無料でお応えしています。お気軽にご相談ください。明るい未来への第一歩を踏み出しましょう。

 

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